「サポート詐欺」と呼ばれる詐欺被害が国内で急増しています。
インターネットを利用していて、「ウイルスに感染しました」などという警告表示を目にしたことはありませんか?実はこれ、詐欺の可能性があるため、気をつけないと被害にあってしまうかもしれません。「画面に警告を表示し、お金を要求して騙し取る」という手口で、被害は高齢者にも及んでいます。
ここでは、サポート詐欺の被害にあってしまわないためにも、その手口と対策について解説します。
サポート詐欺とは
インターネットを使用している時に「ウイルスに感染しています」等、悪意のある警告メッセージを画面に表示します。
こちらの不安を煽って表示された電話番号に連絡するよう誘導し、カスタマーサポートを装って金銭を騙し取る手口です。直接連絡を取って有料サービスを契約させることが目的であるため、実際には警告メッセージの内容は事実ではありません。
サポート詐欺はコロナ禍で急増しており、1年間の被害額は3億9,000万円と過去最大の規模になっています。
サポート詐欺の手口
サポート詐欺の仕組みは、3つの手順で行われるようになっています。
1. ブラウザに警告メッセージを表示する
サポート詐欺で最も多いのが、Webサイトの広告に警告メッセージを仕掛けるというものです。Webサイトに掲載された「悪意のある広告」をクリックした際、ブラウザに「ウイルスに感染しました」「個人情報が漏洩しています」などの警告メッセージと、虚偽のサポート窓口の電話番号を表示します。
こうした警告メッセージは、普段から閲覧しているWebサイトでも表示されるケースがあります。
2. 遠隔操作ソフトをインストールさせる
虚偽のサポート窓口に電話をかけると、担当者を装った人物につながります。担当者は「パソコンの調査」などと称して、遠隔操作ソフト「リモートデスクトップツール」をインストールさせます。そして、担当者は遠隔操作ソフトを使用してこちらのパソコン上でコマンドラインを実行し、「コンピューターウイルスに感染している」などと虚偽の調査結果を説明します。
第三者によるパソコン操作が可能になるため、遠隔操作ソフトのインストールは悪用される危険性があります。
3. 有料のサポートサービスを契約させる
担当者は、虚偽の調査結果による問題を解決するために「有料サポート契約」を結ぶように
促してきます。この契約に応じると、「クレジットカード」や「電子マネー」による支払いを要求してきます。当然ですが、実際には問題は発生しておらず調査もしていません。ここでカード番号を教えてしまうと、クレジットカードが悪用される恐れがあります。
サポート詐欺の被害を防ぐための対策
サポート詐欺の手口がわかったと思いますが、どうやって被害を防げば良いのでしょうか。ここでは、詐欺にあわないための具体的な対策3つを解説します。
1. 警告メッセージが表示されたらブラウザを閉じる
まず、表示された「警告メッセージ」は全て虚偽であると考えて、無視してください。
広告をクリックして警告画面が表示された場合、ブラウザを閉じることで対処できます。また、閉じられない場合は「アプリケーションの強制終了」でブラウザを終了することができます。
2. 表示された電話番号に連絡しない・電話番号を検索する
警告メッセージに表示された「電話番号」には、絶対に連絡をしないでください。
相手にこちらの電話番号が知られてしまう恐れがあり、もし電話をかけてしまって相手から連絡がきても電話に出てはいけません。
また、不審な電話番号は検索して調べてみましょう。検索結果がサポート詐欺に該当する電話番号であった場合、絶対に電話をかけないでください。
3. 表示された警告画面の指示に従わない
いかなる警告メッセージの指示にも従わないでください。
電話番号が表示される以外にも、「セキュリティ対策ソフト」を装った「マルウェア」のインストールを要求するメッセージが表示されるケースがあります。もしインストールしてしまうと個人情報が盗まれたり、不正アクセスによってパソコンが悪用される恐れがあり危険です。絶対に、指示には従わないようにしてください。
最後に
サポート詐欺はその手口で著名人も被害にあうなど、規模が拡大しています。万全なセキュリティ対策はもちろん、正しい知識で冷静に対処することを心がけて、サポート詐欺にあわないように気をつけましょう。